あなたは自分の声が好きですか?おそらく嫌いな人が多いでしょう。
自分の声とは骨伝導音によって普段聞いている声ではなく、録音した声を聞いたときの、自分の声のことです。
録音した声は、空気の振動のみによって他人が聞いているあなたの声です。私は自分の録音した声をはじめて聞いたとき「げ、気持ち悪い声」と思いました。
ほとんどの人は自分の声を嫌だと感じます。人から美声だと褒められる声優さんなどの、声のプロでもはじめは同じようです。
声は超デリケート。健康状態や精神的な動揺など、あらゆることが声に出ます。
人の体調不良を声に感じて「何だか元気ないな」って気づくことがあると思います。自分の顔は鏡などに映さないと見えませんが、声の振動は話すたびに自分の全身にまで伝わります。
全身に響いている声が嫌いだということは、自分で自分を認められないことに繋がるのです。
だから私は声と話し方のトレーニングで、はじめは「声」に関して特に力を入れた方がよいと考えています。
それは、相手に何かを伝えるにあたり、自分の内面をニュートラルにするためです。
言葉の内容が正しく伝わるという目的だけのためなら、そこまで声にアプローチする必要はありません。話す内容や、自分の考え方に重きをおけばよいです。
声を磨くのは相手に聞きやすい声にするためというより、自分が自分らしい声を知ることが大事です。
空気の振動を介して、相手の懐に真実味が届くから信頼が得られるのです。
そのために自分本来の声を知り、取り戻すことが必要です。気持ち悪いとか、嫌だとか思わない、好きになれる声に戻すのです。
他者によく思われたい、素の自分ではダメだ、こんな自分では愛されない。。。そういった深層意識の自信のなさが声に出ているから、自分の偽りの声が好きになれないのは当たり前のことなのです。
取り繕った営業ボイスは「作り声」です。自分で自覚して使い分けているならOKです。
しかし深層意識で作り込んでいるなら、自分否定をますます身体に刷り込むことになります。
そのためにまず、自分が好きになれる声を取り戻して心の奥から安心感のある声に包まれる体験が必要です。
一般的な美声を目指すのとは、別の問題なのです。一生付き合い聞き続ける声ですよ。声はあなたの武器になります。
あなたの発言が真実味を増していく。
あなたの揺るぎない自信になる。
あなたの影響力が上がる。
あなたの魅力が伝わる。
どんな場面でも落ち着いて話せる。
好きな人とわかり合える。
自分が自分にOKを出せる。そんな声を発見していきましょう。自分を偽って生きてきた年数が長い人ほど、驚きを感じます。